発達障害ってありかも。

NHK福祉ネットという番組で、発達障害の人たちの座談会のようなことをやってました。
作家の市川拓司さん、
NPOで活動している笹森理恵さん
女社長のアズ直子さん
の3人。

発達障害者の中では健常者(という分け方もどうかと思うけど)と引けをとらない肩書きを持ち、社会に適応している側の人たちだと思う。
私は今まであんまり、発達障害というカテゴリー、いや、診断ってものを信じてなかった。懐疑的でした。
発達障害と診断された人々」に冷たかったかもしれない。

だって、目に見えて奇異な言動を取る統合失調とか、自閉症ならわかるんですけれど、やれアスペルガーだ、発達障害だ、ってしょせん健常者と連続的な途上にある症状をそんな「やっきになって細分化して」どうするのか?と思ったのです。
健常者だって発達障害の人が抱える【失業・孤独・不和・分裂】という「状況」は同じように抱えるわけで、発達障害という逃げ場を本人が得ることをよしとするか、しないか、それだけの差ではないか、と思えたのです。

でも、この番組のこの回を見てて、「うーん、あるのかも」って思った。

それは「夢のはなし」のときにね。
3人が3人とも、「現実と区別がつかないような夢を見る」というところで一致して盛り上がっていたのです。
これは、今まで「健常者と何が違うのか」と懐疑的に構えていたわたしにも理解できないもので。
なんでも、
「寝付くとすぐ夢の中にはいって」「まるで、パラレルワールド」「あちらの世界で目が覚めるという感じ」なんだそう。
そしてびっくりしたのが、夢の中で走ったりすると、目が覚めると本当に足が痛いのだそうです。
夢の中で人に会うと、目が覚めると人とやりとりしたダメージが心身に残っている。
夢の中の記憶と、現実の記憶の区別がつかなくなる。

これが、3人とも同じとは。
うーん発達障害、「ありかも。」

ちなみに私はこの番組に出演している市川拓司さんがあの有名な
いま、会いにゆきます」や
「そのときは彼によろしく」の作者だとは知らず・・・。

夢の話を聞いて、
「あれ、あの小説に似てるじゃん、「そのときは彼によろしく」。あの作者も発達障害なのかな」と思って調べてみたら、作者本人でした。

そのときは彼によろしく (小学館文庫)

まあ今でも
発達障害=不適応、うまく生きられない
健常者=適応、うまく生きられる

なんて図式は信じてません。これらが混然一体となって、人間社会はもっと複雑です。
だって、私は発達障害ではないけれど、自分が「うまく」生きてるなんて思わないからね。